自己啓発ではなくて、行動経済学の本です。
書評はいつもはしないのですが、結構面白かったので今回はまとめてみました。
まとめると普通の事を言われていますが、検証結果で言われると、とても説得力あります。
実験の結果を書いているので、役立ちます。
ちなみに本の内容は、実験の内容を細かく書いている部分がとても多いので、
とても為になりましたが、「時間がない」を手助けをする本にもなります。苦笑
もっと上手く要約して欲しかったなぁって思いました。
■■■本の要約■■■
◆何かに追われていると、その物事に対して集中できる様になる。
例:締め切りが迫ると、その事の作業効率が増す
例:お金が無くなると、細かくお金の事を考える様になり、使い方の精度も増す。
◆何かに追われていると、他の事の作業効率、集中力が落ちてしまう。
例:締め切りが迫ると、その他の事の作業効率、集中力が落ちる。
例:お金が無くなると、お金の事を考えてしまうため、その他の事の作業効率、集中力が落ちる。
著者例:著者はこの本を書く時に、朝の処理能力の高い時間を使っても作業効率はあがらなかった。
理由は、作業前にメールに目を通して用事を片付けていた事(頭の片隅に記憶が残る)他の遅れているプロジェクトが頭から離れなかったため。
◆ギリギリの状態で目の前の仕事に集中していると、目の前の事に集中できるが、根本的な解決策を見逃してしまう事がある。
結果として、非効率な状態が続いてしまう事がある。
自分事で言うと、お金の回収はコンビニ払い郵送で対応出来るのに、手回収でわざわざ1件1件回収をするなど。
◆人は、目の前の急ぎの事を優先する。
例:どうしてもお金が無い時に30万円借金をします。その場は解決できるが、長期的には利息を払い、負の連鎖を続ける事になる。
将来は損をすると分かっていても、目の前の解決の為に、長期的にはマイナスになっても受け入れてしまう。
例:仕事で忙しい時、目の前の仕事に集中する。重要であるが急ぎではない仕事は置き去りにされる。
結果として、長期的に見ると損害が大きかったとしても。
例:整理整頓が出来ていなければ物を探す時間がかかってしまうなど。
◆仕事はいっぱい入れると余裕がなくなり、少しの急な仕事が入るだけで手一杯になり、目の前の事に集中して、次の週の仕事の事も考えられなくなる。
今の仕事をとりあえず終わらせようとなり、その場しのぎの仕事になる事が多くなり、将来の問題を引き起こす元になる。
そのため、余裕を残しておく事は重要。
◆決断をするのにはパワーが必要
お金が無い人は目の前の小さな金額の差などを調べる。その為にパワーを使う。その結果、お金に関する細かい正しい判断が出来る。
お金に余裕がある人は、目の前の小さな金額の事にパワーを使わなくなるので、判断をする事が少なくなり、小さな損をする事が多くなる。だが、別の場所にパワーを使える余力ができる。
◆借金をする人が、借金を何度もしてしまうのは、お金の余裕が無いからである。
実験結果:借金がある人達の負債を無くし検証した結果、殆どの人達は1年後に借金をしていた。
理由は「お金の余裕を作らなかった」からです。
借金をする体質に戻ってしまった理由は「怪我をして働けなくなった」など急な出費が原因であった。
急な出費は高い確率でおきた。一度借金をしてしまうと、利息を払う事になり、
また負の連鎖が始まる。
実験結果:ケニアの農家は肥料を使うと75%収穫が増えるのを知っているが、29%しか肥料を使わなかった。
理由は、肥料が必要な時にお金が無かったから。
収穫時の資金に余裕がある時に、肥料を買う様に伝えたら、肥料を使う農家が45%と劇的に増えた。
◆定期的に自分に連絡が届く様にすると、緊急でない重要な物事は行動しやすい。
携帯メールなどで貯金のアラーム。
専属トレーナーがいるスポーツジムなど。
◆負の連鎖を断ち切る為に、仕組みを作ると急な出費の貯金が出来る。
人は決断をするのに労力を使う。
「毎月自分の手で貯金をする」
のではなく
「給料の数%は”自動的”に貯金になり別口座に振り込まれる」
の方が決断をする必要が無いので、長期的に貯金が出来る人が多くなった。
どんなに固い決意を持っても仕組みを作らなければ上手く行かない事が多い。
◆自制心は意志力を消耗させる。
何かを我慢すると言う事はパワーを使う。
我慢しないで済むように仕組みを作る事が大事。
ダイエットをするのであれば、食べ物を近くに置かないなど。
無理なダイエットは自制心を常に消耗するので他の事に作業効率が落ちる。
◆処理能力には限界がある。
運転中にヘッドセットで電話をしても、電話をしていない人と比べ、信号を見逃す回数が2倍になった。
両手を使えたとしても、処理能力が落ちた。
◆余裕がある時に「時間が無くなる、お金が無くなる」の原因を作る
締め切り近くに納期に追われるのはたいていの場合、時間がたっぷりあった時期の時間管理にある。
人はお金がありあまっている時に貯金をしない。
◆余裕は大事だが、会社に余裕があると無駄も増えてしまう。結果、倒産の原因になる場合がある。
「必要な余裕なのか?」
「不必要な無駄なのか?」
区別するのは難しい。
銀行では、目の前の仕事に集中している(忙しい)経営陣とは別に、「最高リスク管理責任者」を置き、両方の立場から見れる環境を作った。
◆勤務時間を増やすと、過労で処理能力は落ちる。
ヘンリー・フォードが12年かけて行った実験では、
1日10時間から8時間労働に。週6労働から5日労働に減らすことで生産コストが下がる事を見つけた。
睡眠時間を減らして生産性をあげるのは難しい。
企業は労働時間ではなく、処理能力を管理した方が良い。
以上でした。
本ではこうやってまとめているページがないので、
上手く要約を作って欲しかったなぁって思いました。
自分で実践をしようと思ったのは
・月に1回、実践したいと思った事をアラームで知らせる
・財布にお金を入れない
・お金が無い時も定期預金をする
・納期がない仕事でも自分で納期を作る。
この本で解決策がないのは
「余裕ある時に作業効率が落ち、無駄が増える」
ですね。
これ、かなり重要だと思いました。
ここの上手い解決策を出して欲しいと思いました。笑
今できる解決策は
・自分の仕事一つ一つに納期を作る
・一定期間毎に客観的にチェック出来る時期をつくる
かなぁ?
「余裕ある時に作業効率が落ち、無駄が増える」
の根本的解決にはならないですが。
あえて言うなら、
・銀行の様な「最高リスク管理責任者」を置く
・定期的に外部のコンサルにチェックしてもらう
・製作なら、作る人、効率あげる人を分ける
(ブラック企業にありそうですが。汗)
以上でした。
実例などあって説得力があったので共有しました。
ちなみに読んだ本はこちらです。
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